長門郵政「反金融庁」の狼煙

4千億円減損処理の返す刀で、かんぽ社長解任と野村不動産買収検討。旧郵政省人脈と組み、「お山の大将」化した。

2017年6月号 BUSINESS [因縁のバトル再燃]

  • はてなブックマークに追加

5月連休明け、石井雅実かんぽ生命保険社長(64)は、持ち株会社日本郵政の長門正貢社長(68)に呼ばれ解任を告げられた。理由は在任5年と長くなったからだが寝耳に水、森信親金融庁長官(60)から最近慰留されたばかりなのに、指名委員長の長門自ら委員2人に根回ししたようで、東京海上出身の植平光彦(61)の昇格に石井は抗弁しなかった。それでも、殉ずるように石井と同じ損保ジャパンから来た井戸潔副社長(61)と旧郵政省出身の南方敏尚副社長(63)も辞意を表明、代表権トップ3人が枕を並べる異例の事態となった。だが、15日の決算発表で長門は「解任」とはおくびにも出さなかった。日本郵政に何が起きたのか。2週間前に長門は傘下の豪州物流大手トール・ホールディングスについて4003億円の減損処理を発表した。その余震であることは間違いない。「人のせいにするわけではありませんが」という前 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。