シリア爆撃にクシュナーの影

内政で追い詰められ「起死回生」の戦争。ホワイトハウスでは、グローバリストがナショナリストを封じ込めた。

2017年5月号 GLOBAL

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内憂を外患に転ず――ドナルド・トランプ米大統領は就任77日目で“戦争”を始めた。入国制限令やオバマケア代替法案など内政で失敗続き、ロシアとの癒着疑惑で支持率が就任早々最低水準の35%と低迷する「内憂」を一気に挽回するには、「外患」を理由に開戦に踏み切るしかないのでは、とのワシントン政界の懸念が的中した。地中海の駆逐艦から巡航ミサイル59発を発射し、シリア中部のシャイラト空軍基地を爆撃、滑走路やロシア製戦闘機、管制施設などを破壊したのは、大統領別荘で米中首脳が会食した4月6日夜。その2日前の早朝、シリア北西部の反政府派支配地域イドリブで、サリンと米国が断定した化学兵器を政府軍が使用したため、子供を含む住民80人以上が死亡、数百人が手当てを受けた惨事に、「最後の一線を越えた」とトランプ政権は態度を一変させた。2013年に起きたシリア軍の毒ガス攻撃では、バラク ………

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