怪しい夕張「第2のニセコ」計画

「財政破綻の町」で中国人がリゾート施設を買収。100億投資すると言うが眉唾モノか。

2017年5月号 BUSINESS

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市役所に近い目抜き通りなのに、屋根や壁に穴が空いた倒壊寸前の廃屋が目立つ。商店街では開いている店を探す方が難しい。その荒廃は、大都市に住む人々の想像を大きく超える。北海道夕張市。2007年に353億円もの債務を抱えて財政破綻し、国の管理下で再建を進める全国唯一の自治体だ。かつて北海道を代表する炭鉱町として栄えた同市は、日本の主力エネルギーが石炭から石油に転換するとともに基幹産業の没落に見舞われた。さらに、80~90年代に「炭鉱から観光へ」を合言葉に邁進したリゾート開発の大失敗が市の斜陽に拍車をかけた。ピークの60年に11万7千人を数えた人口は、今や13分の1以下の8600人。若い世代の流出で、総人口に占める65歳以上の比率(高齢化率)は16年に48.9%に達している。

実績は「放置して転売」

今年1月30日、そんな夕張をニセコのような国際リゾートに変身させるという大胆な計画が急浮上した。仕掛 ………

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