荒唐無稽な10兆円もの融資話に飛びついた2代目総帥は、経営者としていささか脇が甘かったと言わざるを得ない。
2017年5月号 BUSINESS [ 「M資金」まがいの餌食]
グループ発祥の地、板橋中央総合病院東京地裁で何とも奇妙な民事裁判があった。訴えたのは傘下に35もの病院を擁する「IMS(イムス)グループ」理事長の中村哲也氏。相手は「風孕財団」という風変わりな名の一般財団法人とその代表の川中祐孝氏なる人物だ。裁判は貸付金1億5140万円の返還を求めるという、ありがちなものなのだが、奇妙というのはそこに至る過程がまるで「M資金」みたいな話だからだ。IMSグループは民間では徳洲会に次ぐ規模を誇る病院グループ。発祥は先代の中村哲夫氏が1956年に2人の実弟とともに東京都板橋区で始めたわずか5床の病院だ。やがてそれは増床に次ぐ増床で現在の板橋中央総合病院となり、M&Aも駆使して各地に進出、今やグループはベッド数1万2494、職員2万1491人を数え、老人保健施設や専門学校なども擁する医療コングロマリットに発展した。
この間、哲夫氏の弟2人は独 ………
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