東芝には「出口」がないのに、経産省の柳瀬、高橋らが暗躍。この期に及んでも政府主導の救済策を模索している。
2017年5月号 BUSINESS [展望なき「切り売り」]
東芝はまるで「ウェスチングハウスの呪い」にとりつかれたかのようだ。歴代経営陣に人を得ず、国策に翻弄され、やがて切り売りに追い込まれる。東芝が辿った軌跡は、自らが買収して傘下に収めたウェスチングハウスのそれと驚くほどよく似ている。1999年1月11日午後、ウェスチングハウス(WH)の会長兼CEOを退いてまもないマイケル・ジョーダンは、ニューヨーク・マンハッタンの高層マンションの自宅で私のインタビューに応じていた。ホテルのスイートルームを思わせる高級感のある居室でくつろぎながら、彼は驚くほど饒舌に約6年間の来し方を振り返った。ジョーダンが招かれた93年7月、WHはすでに危機に瀕していた。傘下の金融子会社による不動産融資が折からのS&L危機に見舞われて不良債権化し、91年12月期から3期連続の最終赤字を計上、会社の総資産の約半分が不良化して失われた。「私がCEOになった ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。