「日本豪華巡幸」サウジ国王の苦境

原油安で経済はデフレ、イエメンやシリアで天敵イランに劣勢。米国とも同盟関係は微妙。

2017年4月号 DEEP

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3月12~15日、サウジアラビアのサルマン第七代国王が日本を訪問した。約1カ月にわたるアジア6カ国歴訪の一環で、1千人を超す大随行団を約10機の旅客機に分乗させて来日。安倍晋三首相との会談では、サウジの石油依存脱却のため幅広い経済協力を進める「ビジョン2030」推進で一致、経済特区を設けてトヨタやJX、3メガバンクなどが協力することになった。サルマン国王が即位したのは15年1月。実質的に約20年ぶりの政権交代を機に、中東最大の経済・軍事規模を誇るサウジが、地域で強力なリーダーシップを発揮する時代が来るかに見えた。ところが、2年も経たないうちに王国は過去10年で初のデフレに陥った。1バレル30ドルを一時割った原油安に耐えられず、経済は苦境に立たされた。対外戦略でも、隣国イエメンといい、戦場と化したシリアといい、行き詰まりが目立つ。同盟国米国とも、親イスラエルのトラン ………

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