金正男「暗殺教本」のトリガー

血族には手を出さない「宮廷の掟」はなぜ破られたか。監視カメラが捉えた「計画はプロだが実行はアマ」の謎。

2017年4月号 GLOBAL [ 白昼の空港で「処断」]

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2月12日の日曜早朝、 北朝鮮は新型中距離弾道ミサイル(IRBM)の「北極星2号」を発射した。米国の新政権誕生と韓国の大統領弾劾の行方をにらみ「静中動」の構えだった金正恩党委員長は、ドナルド・トランプ大統領とのハンバーグ会食を断念したかのように挑発に打って出た。正恩の「衝撃波」はそれで終わりではなかった。ミサイル発射への対応を協議し始めた国連安保理や、それを報じるマスコミを嘲笑うかのように、翌13日、マレーシア空港で異母兄、金正男を暗殺した。世界のメディアは「マレーシア事件」で持ちきりとなり、「北極星2号」は消し飛んだ。多くの北朝鮮ウォッチャーは、二つの事件が連続して起きたことから、金正恩が2月16日の「金王朝二代目」金正日の誕生日にあわせた「企画」ではないかと推測する。だが、時期が重なっただけで、直接的な関連性は低いと思う。正恩にとって、二つは政治 ………

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