中朝が石炭「禁輸」で化かし合い

弾道ミサイル発射の裏に、対米「北朝鮮カード」を維持したい習近平と、足元を見る金正恩。

2017年4月号 GLOBAL

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3月6日朝、北朝鮮は北西部の付近から4発の弾道ミサイルを発射し、約1千キロ東の日本海に落下させた。翌朝、国営の朝鮮中央通信は「在日米軍基地を攻撃する任務を担う部隊」が弾道ミサイルの発射訓練を行ったと発表。その目的は「合同軍事演習を進める敵への報復」と伝え、3月1日に始まった過去最大規模の米韓演習に反感をあらわにした。この主張を額面通りに受け取れば、北朝鮮が牽制しようとしたのは軍事・経済の両面から制裁圧力を強める米国と、その同盟国である韓国、日本の3カ国となる。だが、一部のチャイナ・ウォッチャーはやや違う見立てをしている。今回のミサイル発射には、米韓日に加えて中国に対するシグナルも含まれていると考えているのだ。

外務次官訪中で裏取引か

その伏線は、ミサイル発射の2週間余り前の2月18日、中国政府が北朝鮮産の石炭の輸入停止を発表したことだ。公式説明によれば、この措置は2016年 ………

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