地味な経歴の社長が、持ち前の「聞く耳」で技術陣のやる気を高めている。業界の再々編は目前。改革は間に合うか。
2017年4月号 BUSINESS [自由闊達な雰囲気づくり]
2016年12月、ホンダの開発陣に衝撃が走った。国土交通省が初めて公開した「対歩行者自動ブレーキ」の性能評価で、ホンダのミニバン「フリード」が、対象車種11車中、最下位になったのだ。自動ブレーキは、自動運転時代には中核となる技術だ。こうした技術を完全なものにするために世界の自動車メーカーは今、画像認識や人工知能などの先端技術とブレーキやエンジンなどの機械技術とを融合させる方向に経営資源を急速に移している。今回の最下位評価は、ここ数年のホンダのダメっぷりを象徴している。ホンダは研究開発を子会社の本田技術研究所で行っているが、この研究所で14年から15年にかけて、大事件が起きた。先進の安全技術や自動運転を担当する部署の技術者の約3割が、本社の方針に嫌気がさして大量に退職したのだ。当時のホンダ社長、伊東孝紳が規模拡大とコスト削減ばかりを追求。自動運転部門 ………
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