中村住商がまた900億円「爆買い」の愚挙

2017年3月号 BUSINESS

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東京・築地の新橋演舞場の近くに、住友商事の瀟洒な9階建てビル「グローバル人材開発センター」がある。12月初旬、経営会議後の夜、そこで懇親を兼ねて役員研修が行われた。前代未聞の朝令暮改が起きた。経営会議で「採算性が低い」と却下された投資事案を中村邦晴社長らが蒸し返し、研修会を第二回経営会議に切り替えて強引に賛成多数で承認したのだ。それが12月9日に発表したアイルランドの青果卸売大手ファイフスの買収である。直前の株価で1.5ユーロのファイフス株に5割近いプレミアムをつけ、1株2.23ユーロで100%買い取るため、総額は7億5100万ユーロ(約900億円)に達する「爆買い」だった。住商は、傘下のスミフルがフィリピンで生産したバナナを日本に輸入して伊藤忠と首位争いをしているが、所詮は日本だけの井の中の蛙(かわず)。そこで中南米からバナナやパイナップル、メロンなどを輸入し ………

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