ロシア主導「中東和平」に追い風

トランプの「米国第一」はプーチンに好都合。アスタナで主役を演じ超大国復帰へ意欲満々。

2017年3月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

中東における米国とロシアの関係を考える上で、ドナルド・トランプの米大統領の就任ほど好ましい展開はなかった。民主党の大統領候補ヒラリー・クリントンは、シリアで飛行禁止区域を設置するべきだと主張していた。ロシアの承認なしに強行していれば、ほどなく中東で米軍とロシア軍による撃墜競争が始まっていたろう。米国の外交・安全保障担当者は、シリアの反体制武装勢力により高度な武器を渡すべきだと主張し、クリントンはバラク・オバマ前大統領よりはるかに理解ある態度を示していた。もしシリアの反体制派が、ロシアのヘリや航空機を撃ち落とせる米国製の携帯式地対空ミサイルを手にしていたら、ロシアは兵器移転の大もとを攻撃していたかもしれない。オバマ自身は、米国がシリアの内紛に全面的に巻き込まれないよう注意する一方で、内戦解決のためロシアと協力関係を結ぶことには踏ん切りのつ ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。