霞が関が投げ出す「カジノ実施法」

準備室長に事務次官級を据えたが、公明党の石井国交相が横を向き、所管大臣が決まらない。

2017年3月号 DEEP

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昨年末、議員立法で成立したカジノ推進法(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)は、カジノ合法化とその推進実施体制作り一切合切を、政府に丸投げするという、実に乱暴なシロモノだった。霞が関は、その受け皿となる「カジノ実施法」を作らされる羽目になり、年明け内閣官房に準備室を立ち上げた。そのトップに国土交通省の事務次官級を据えたが、肝心の所管大臣が決まらない。カジノ推進法は、法案修正によって「ギャンブル依存症対策基本法」策定が追加され、付帯決議によって厳格なマネー・ローンダリング体制の構築という難題が課せられた。司令塔(所管大臣)不在の船出となった霞が関は頭を抱えている。政府はカジノ実施法に先立ち、ギャンブル依存症対策基本法を、通常国会に提出する予定だが、事務方は「どんな有効な対策があるのか、見当もつかない」と溜め息をつく。厚生労働省が ………

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