「復興利権」特捜を阻んだ焼身自殺

ゼネコン「前さばき」役のキーマンが、背伸びの借金苦の果てに検察に呼ばれ、死を選んだ。

2017年2月号 DEEP

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正装し、先祖代々の墓参りをしてから焼身自殺する――。2002年に広域暴力団稲川会系組織から破門されるまで任侠の世界に生きてきた建設会社顧問らしい死に方だった。「常々、『責任はすべて俺にある』と語っていた。膨大な借金も、検察に狙われた政界工作も……彼からすれば自殺という選択肢しかなかった」(顧問の知人)顧問先は埼玉県八潮市の豊田建設である。埼玉県の公共工事を中心に、年商数億円の「地元の建設会社」だった豊田建設が急成長するのは、11年3月の東日本大震災後、除染、ガレキ・産廃処理と復興工事を手がけるようになってからだ。その際、東北の建設利権に詳しい「道案内役」として登場したのが、この元暴力団幹部の顧問だった。昨年12月の顧問の死は、10月17日から始まった東北復興利権を巡る東京地検特捜部の捜査を停滞させる結果を生んだ。捜査内容を説明する前に、顧問の役割を知る ………

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