病める世相の心療内科①「裏の家にもいるのでよろしく」

2017年2月号 LIFE

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年以上、精神病院で働いてきた。私と一緒に年を取ってきた患者と別れがたいものがあり、定年退職後に街中に心療医院を開いた。心療医院とは精神医学的手法で心身の治療にあたる場所である。カーネル・サンダースは65歳で起業したというから、67歳の私もありかと、軽い気持ちで、古い患者(友人)と細々と付き合うつもりで、少し引っ込んだ住宅街に開院した。小さいとはいえ精神科関連の医院となると、周辺住民の了解がないと開設許可は下りない。心配しつつ地域の役員の家に行くと「裏の家にもいるようなので、よろしく」と言われ、拍子抜けした。実際、開いてみると、予想を超えて悩める人々が押し寄せてきた。始めて3年に満たないが、一日50人くらいの患者が来る。週に1、2度手伝いの医者も来るが、ほとんどは一人で診療する。例えば一人で働いて生活している間違いなく精神病の娘、子供の学費を稼ぐ ………

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