「シャインマスカット」に「あまおう」「紅ほっぺ」――。日本の宝が海外勢に盗まれ放題。
2017年2月号 BUSINESS
安倍晋三政権が推進する「農林水産業の成長産業化」でアキレス腱になりそうなのが、農業分野の知財戦略の遅れだ。ブランド農産物の商標権が海外で侵害される旧来型に加え、マスカットやイチゴなどの日本の種苗が中国や韓国などに持ち込まれて栽培されてしまう深刻なケースが目立ってきた。 政府と生産者などが油断している隙を突かれた形で、虎の子の種苗を取り込もうとする巧妙な海外勢をどう阻止するかは日本の難題である。 政府は2016年11月末に農業競争力強化プログラムを決めた。目玉の一つが「攻めの農業」を具体化する戦略的輸出体制の整備で、農林水産物輸出1兆円を当初より1年早い19年に達成する方針だ。 昨年12月20日には「農林水産物・食品のオールジャパンの輸出サポート体制強化のための連携協定」の締結式も開かれ、山本有二農相らが決意を誓った。農林水産物輸出は15年まで3年連続で過去 ………
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