マグロ「密漁」見て見ぬふり水産庁

対馬・三重で発覚、急きょ全国点検したが、資源管理に杜撰な日本に欧米は不信募らす。

2017年2月号 BUSINESS [力の源泉・闇の顔に迫る]

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昨年8月はじめ、長崎県・対馬の複数の地元漁師が「無承認の漁船がクロマグロを獲っている」と県の出先機関である対馬振興局に通報した。しかし振興局は地元の漁業協同組合に対し、通り一遍の注意喚起でやり過ごした。面倒になりそうなことには深入りしないに限る、と担当者は考えたのだろう。県が調査に乗り出したのは11月下旬、外部から情報提供を受けた水産庁が長崎県に事実関係の報告を求めてからだ。出荷記録と照合しつつ、漁協や漁業者に聞き取り調査したところ、無承認操業がぞろぞろ31人、漁獲量にすると15トン分判明した。単純な報告漏れを含めると11漁協で合計30トン余りの未報告漁獲があった。長崎県がクロマグロの資源管理で“ズル”をするのはこれが2度目だ。クロマグロ小型魚(30㎏未満)の漁獲量を2002~04年平均の漁獲実績の半分に、成魚(30㎏以上)は同水準以下に抑えるという中西部太平 ………

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