超優良企業SMCと創業家の「怪」

空売りファンドが「粗探し」レポート。実は3年前に「損失隠し」の内部告発があった。

2017年2月号 BUSINESS

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2016年12月、日本の大型株を標的にした「売り推奨」レポートが株式市場を駆け巡り、株価が一時急落した。標的になったのは空圧制御機器の総合メーカーであるSMC。東証1部上場で、売上高4千億円台の知る人ぞ知る超優良企業である。自動車メーカーや電機メーカーを主要顧客にしており、国内外で高いシェアを誇る。一般のエンド・ユーザー向けの製品は手掛けていないから、よほど株式市場に精通している市場参加者でも「何の会社?」と聞き返すほど玄人好みの銘柄だ。しかしまれに見る高採算と財務構成の良さが評価されて、直近の上場時価総額は2兆円前後と大きい。TOPIX100に組み入れられている大型株であり、国際優良株と言っていい。

不可解な当座貸越契約

空売りファンド兼調査会社「ウェル・インベストメンツ・リサーチ」を主宰する荒井裕樹弁護士が、専門家たちの協力を得てこのレポートを作成した。その要旨は、①SMCの ………

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