「反中トランプ」のトンデモ黒幕

過激な経済政策顧問のピーター・ナヴァロが要職に就けば、米中関係は泥沼に陥るか。

2017年1月号 GLOBAL

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星条旗の図柄を重ねた米国の地図に短剣がぐさりと突き刺さり、鮮血がほとばしる。その刃には「MADE IN CHINA」の文字、短剣の柄に巻いてあるのは人民元の紙幣――。そんなショッキングなCG映像で、視聴者に「中国は米国の働き口を盗んでいる」「中国製品をボイコットせよ」と声高に叫ぶ“ドキュメンタリー”がある。カリフォルニア大学アーバイン校教授のピーター・ナヴァロが2012年に発表した「デス・バイ・チャイナ」(中国による死)だ。この映像はナヴァロが11年に出版した同名の著書をベースに、脚本、取材、監督をすべて彼自身が務めて製作した。そのなかでナヴァロは、中国が「人民元の対ドル為替レートを意図的に低く操作している」「自国企業に不法な輸出補助金を与えている」などと激烈に批判。「中国に不公正貿易を止めさせれば、米国は貿易赤字が縮小してGDP(国内総生産)が伸び、国内雇用が増 ………

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