「想定外」トランプに中国歯軋り

習近平政権との相性は最悪。台湾総統との電話会談や南シナ海ツイートに怒りを隠す。

2017年1月号 GLOBAL

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「中国は顔馴染みでない相手との駆け引きが苦手だ。とりわけトランプ政権の発足当初は防戦一方になるだろう」――。2016年11月8日の米大統領選挙をドナルド・トランプが制した直後、英ガーディアン紙への寄稿でそう予見した元外交官がいる。英国の国連大使や駐イラク特別代表などを歴任したサー・ジェレミー・グリーンストックである。米中関係の将来の行方は、トランプが打ち出す対中政策の不確実性以上に、中国の習近平政権がそれにどう対応するかにかかっている。グリーンストックはそう看破し、中国の外交的未熟さへの懸念をにじませた。そして17年1月20日の大統領就任式を待たず、予見は早くも現実になった。16年12月2日午前10時(米国東部時間)、トランプは台湾総統の蔡英文との電話会談に応じ、政権移行チームがその事実をメディアに明かしたのである。

打ち砕かれた中国の楽観

米大統領や大統領選の当選者と台湾総統と ………

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