シャープに覚醒を迫る「モーレツ社長」

「1日17時間働く」という戴正呉社長の下で、社内に生々しい「化学変化」が起こっている。

2017年1月号 BUSINESS

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年季の入った鼠色のスーツは決して高価にはみえない。夏はポロシャツにチノパンの日もざらだ。毎朝、出勤前には堺市の本社内にあるシャープ創業者早川徳次像への黙礼を欠かさず、昼はコンビニや安い中華料理店で済ませる。経費削減のため壁のひび割れた古い独身寮を定宿とし、前任者の赤字決算の責任をとり役員報酬を返上――。かつてこんな「外資系」経営者がいただろうか。2016年8月、シャープの親会社となった台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業から送り込まれた戴正呉(たいせいご)社長(65)のことだ。強烈なリーダーシップで鴻海を率いる郭台銘(かくたいめい)会長(66)の忠実な腹心で05年から鴻海グループの副総裁を務める。台湾北東部の宜蘭県に生まれ、台湾の私立大学を卒業。大手家電メーカーに幹部候補生として就職し1985年、まだ駆け出しの部品メーカーに過ぎなかった鴻海に転職した。若き日 ………

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