「上田NHK」誰が猫の首に鈴を

難航したのは「籾井おろし」でなく「板野おろし」。官邸の希望人事を覆した意外な逆転劇。

2017年1月号 DEEP

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あのふくれっ面ドラ猫の百面相がこれで見納めとは寂しい。だが、もとからNHK会長、籾井勝人(73)に続投の目はなかった。次期会長人事は、12月6日に経営委員会が全員一致で常勤経営委員の上田良一(67)を選出することで決着した。首相官邸は籾井の再三の失言に舌打ちし、安倍晋三首相が更迭を避けたのは任命責任を問われたくなかったからだ。任期を全うできただけでも望外なのに、本人は鈍感力の塊だった。世論の総スカンと経営委の低評価にムキになって反発、不評だったNHK放送センター建て替え計画を見直して、総工費の見積もりを3400億円から1700億円に圧縮した。その分を月50円の受信料値下げで視聴者に還元すると唐突に言い出して、続投の意欲を見せたが、11月22日に経営委にあえなく否決され、独り相撲に幕が引かれた。

石原委員長は蚊帳の外

「15年度の受信料収入が6225億円と最高になり、値下げ自体は一応正論です ………

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