2017年1月号 連載 [いまここにある毒]
「お坊ちゃん総理」の外交とは所詮こんなものか。12月15日、ロシアからプーチン大統領が安倍首相の郷土、山口に飛来する。二人の会談は実に14度目だが、結果はもう知れている。北方領土は限りなくゼロ回答に近いだろう。11月のペルー会談後の首相の顔色が物語っていた。「日本は何もやってない」となじられたらしい。“見返り”の経済協力で釣ろうと走り回った世耕担当相は、哀れピエロを演じた。米大統領選のトランプ勝利で「してやったり」はプーチンだろう。米ロ接近が実現すれば、ウクライナをめぐる経済制裁に風穴があき、シリア内戦も対ISで主導権を握れるうえ、原油が回復基調ならロシア経済は窮地を脱する。フランスも17年の大統領選で親ロの中道右派フィヨンが有力候補に躍り出た。先に英国はBrexitを決断、イタリアも国民投票敗北で首相が退陣、欧州連合(EU)は風前の灯だ。オセロゲームのよう ………
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