安倍が弾む「トランプ解散」

「世界はこの先どうなるか分からない」という不安心理を逆手に取り、与党の勝利が望める今のうちに打って出る!

2016年12月号 POLITICS [「パックス・アメリカーナ」の終焉]

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「ヒラリー・クリントンが勝ちます」米大統領選投票前日の11月7日午前、外務官僚ナンバー2の秋葉剛男外務審議官(政務)は安倍晋三首相にこう報告した。クリントン氏は選挙戦最終盤、私用メール問題で再び窮地に陥り、6日(現地時間)にFBIが訴追見送りを表明して息を吹き返すかと見られていた時である。秋葉氏の根拠は、全米主要メディアの世論調査データが、軒並みクリントン優勢へ雪崩を打ったことだけだったが、これが結果的に歴史的な大間違いだったことは周知の通りである。9日午後、トランプ氏当選が決まると、安倍首相は官邸執務室で苛立ちを口にした。「外務省は話が違うじゃないか!」秋葉氏が慌てて言い訳にこれ努めたのはもちろんだが、その後の対応の拙さが、さらに官邸の怒りに油を注いでしまう。安倍首相が直ちに河井克行首相補佐官に米国へ飛ぶよう指示したところ、外務省は「在米大使 ………

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