「領土」遠のく安倍政権内の角逐

成果乏しい世耕訪ロ。経産省主導をひがむ外務省がサボタージュ。プーチンは冷徹に品定め。

2016年12月号 POLITICS

  • はてなブックマークに追加

米国の次期大統領ドナルド・トランプにド突かれるまでもなく、安倍晋三政権の足並みはとっくに乱れている。12月半ばにロシアのウラジーミル・プーチン大統領が来日するのに、政権内は足の引っ張り合いである。11月2日午後8時。「双日」のロゴの入ったビジネスジェット機が、羽田空港からモスクワ・ブヌコボ空港へ飛び立った。搭乗したのは、世耕弘成・経済産業相兼ロシア経済分野協力担当相だ。翌3日にモスクワでアレクセイ・ウリュカエフ経済発展相と会談、日ロ経済協力の合同作業部会を設置し、優先的に進める協力案件を30件に絞り込むことで合意した。報道は過熱気味だが、大型案件の合意もなく、地味なものに終わった。いわゆる8項目経済協力プランの中でも、エネルギー分野の目玉としてロシア側が力を入れるのが、北海道・稚内とロシア極東のサハリンを送電線で結ぶ通称「エネルギー・ブリッジ」。 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。