「宿敵」トルコとイラン間に裏口

モスル奪還作戦などことごとに対立する両国だが、対クルドではバランスを保つ間合い。

2016年12月号 GLOBAL

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7月のクーデター未遂後、まだ混乱が続いていたトルコに8月12日、シリアやイラク、イエメンなど近隣諸国があっと驚く訪問客が現れたのをご存じだろうか。シリア問題でトルコと激しく対立するイランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相だった。強権を振るうトルコ大統領、レジェップ・タイイップ・エルドアンとの会談は3時間に及び、そのあと金曜の礼拝にも一緒だった。実はクーデター発覚後、真っ先にエルドアンに見舞いの電話をかけたのが、ザリーフやイラン革命防衛隊傘下の精鋭クッズ部隊の総司令官ガーセム・ソレイマーニらだった。両国高官の往来はその後も続いている。中東の広範な地域で繰り広げられる覇権争いでは、ほとんどの国が互いに敵意を剥きだしにするが、イランとトルコは別だ。相対した場合の両国はいまだに400年近く前に取り決めたルールに従うらしい。筆者は以前、アンカラとテ ………

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