財政破綻を避けようと躍起になるのはわかるが、シャッター通りの建物に重税では、街の疲弊に拍車をかけるだけだ。
2016年12月号 BUSINESS [売れぬ不動産、極まる重税感]
愛知県岡崎市に、「岡」の字をモチーフにした顔で、胸に「崎」の字をつけた「オカザえもん」という、全国的にわりと知られる、ゆるキャラがいる。このオカザえもんが「住民票」を置く「シビコ」という同市中心部のショッピングセンターが、最近、「全国の自治体の財政を揺るがしかねない」との議論の舞台として、注目を集めている。オーナー会社が、建物の固定資産税が高過ぎて、3億5千万円の損害を被ったとして、10月に名古屋地裁に提訴したことがきっかけだ。自治体にとって固定資産税は、自主財源の半分を占める貴重な財源だ。一方、にぎわいをなくした中心商店街にとって税は、身動きがとれないのにかかるので重い負担になっている。苦しい事情は理解できるが、ある特定のビルの固定資産税だけを下げるわけにはいかない――。シャッター商店街を抱える全国の地方都市にとって目の離せない裁判になって ………
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