さが美TOB「二人羽織」の茶番

組成1カ月で債権放棄付きの安値TOBの裏に銀行の影。不自然さを誰も問わない。

2016年12月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

呉服店チェーン「さが美」を巡る争奪戦は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(FUHD)と企業再生ファンドに加えて、大手銀行や証券会社、大手法律事務所に証券取引所まで加わってオールジャパンで演じられた茶番劇だった。事の始まりは今年9月に実施されたコンビニのファミリーマートとユニーの経営統合。東海地方の老雄ユニーは、近年赤字を垂れ流し続けるさが美を子会社に抱えている。さが美は呉服市場の縮小が向かい風となり、自己資本が圧迫され続けてきた。2012年2月期以降、営業赤字が続き、連結自己資本比率の下落に歯止めがかからない。銀行からの借入金はゼロだが、有利子負債はFUHDからの借入金などに頼っている。しかも近年は有利子負債の全額が短期借入金になっており、常に借り換えを意識しなければならず、安定した資金調達は難しい状況だ。当然、市場の評価は低く、株価は今夏ま ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。