米国は10年で6兆ドルの豪快な減税。だが、保護主義、反市場への「逆行」は、日本の貿易立国を根幹から揺るがす。
2016年12月号 GLOBAL [トランプ・ショック]
奇しくも1989年のベルリンの壁崩壊と同じ11月9日だった。米大統領選開票のどんでん返しでまさかのドナルド・トランプ勝利が決まると、6月に欧州連合(EU)離脱を選んだよもやの英国民投票(Brexit)の時と同じように、東京市場は七転八倒した。しかしその大騒ぎが一段落すると、ニューヨーク・ダウは最高値を更新し、ドルもハネ上がった。この「現代のイコノクラスト(偶像破壊者)」は世界に何をもたらすのか。ベルリンの壁崩壊が「冷戦終結」の分水嶺だったように、「パックス・アメリカーナの終焉」なのか。あれほど「トランプ・リスク」を強調していたのに、何事もなかったかのようなマーケット。周章狼狽する日本の知米(痴米?)派を尻目に、どんな異次元の未来を遠望しているのだろうか。
金融、資源・エネルギー、製薬などの株価はリベラルな規制の撤廃を見越して乱舞し、ネットやSNSの銘柄は ………
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