自民党が国会で起立して自衛隊員を称えた狙いは、自衛隊の憲法9条への明文化だ。
2016年11月号 DEEP
衆院本会議場の演壇に立つ安倍晋三首相の呼びかけに、自民党議員たちが総立ちの拍手で応える。ここは中国か、北朝鮮かと揶揄された、安倍演説に対するスタンディング・オベーション。それは、党内に忠誠を迫るにとどまらず、秘かな狙いが込められていた。「現場では夜を徹して、そして、今この瞬間も、海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が任務に当たっています。極度の緊張感に耐えながら、強い責任感と誇りを持って、任務を全うする。その彼らに対し、今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」社会のために身を削りながら働く職業は数多ある。あえて「海上保安庁、警察、自衛隊の諸君」だけを称えた首相の狙いについて、この場面に遭遇した野党議員はこうみる。「主眼は『自衛隊』。首相は南スーダンのPKOで自衛隊に犠牲者が出る可能性は高いとみている。その時、政権批判が高まらないよ ………
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