対ロ経済協力8項目の裏で、プーチンがこだわったのはトヨタのウラジオ進出だったが。
2016年11月号 POLITICS
9月2日、小雨がぱらつくウラジオストクの極東連邦大学。錚々たる日本企業を引き連れた安倍首相は、東方経済フォーラムと首脳会談に臨んだ。5月にソチで安倍が自ら提案した「新たな発想に基づくアプローチ」と「8項目の経済協力プラン」をきっかけに、北方領土問題を解決したい……。入念な準備をして臨んだ拡大会合には、ロシア側からプーチン大統領、シュヴァロフ第一副首相、トルトネフ副首相、マントゥロフ産業商務相やウリュカエフ経済発展相、ロスネフチのセーチン社長やガスプロムのミレル社長らが顔をそろえた。経済協力を進めたいロシアの熱気が会場を包み、上機嫌のプーチンが「日本の皆さん、よくお越しいただいた」と乾杯の音頭をとると、すかさず安倍もにわか仕込みのロシア語で杯をあげ「ナ・ズダロヴィエ!」。
そして「8項目の協力プラン」の進捗状況を丁寧に読み上げた。提案はロシア側 ………
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