底知れぬ習近平⑩「冤罪」の扉を開く家族の記憶

店晒しだった23件の重大冤罪事件に相次ぐ無罪判決。家族の苦しみが骨身に沁みた権力者は人間臭い。

2016年11月号 GLOBAL [集中連載]

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「習近平総書記は法治の徹底と市場化の推進を唱えているが、一向に成果が見られない」。しばしばこうした批判を耳にする。2015年、上海株式市場が暴落した際も政府が露骨な介入を行い、海外から集中砲火を浴びたことは記憶に新しい。だが習近平の頭の中で、市場化と統制は矛盾していない。法治にせよ、市場化にせよ、共産党の独裁を維持する統治の手段でしかない。裁判所の独立を強化する司法改革も「党の指導」が前提であり、市場化にしても「国有経済が主体」と釘を刺している。社会の安定こそが最優先課題なのだ。中国では建前の理論とは別に、人間臭い権力闘争が経済や社会を左右する側面もある。西側モデルの司法の独立や市場の自由を神話のように信仰する日本人にはますますわかりにくい世界である。権力闘争の余波で、入り組んだパズルが粉砕され、玉突きのように予期せぬ司法の正義が実現される ………

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