東電解体「原発再編」の号砲

焦点は柏崎刈羽原発の分離。資工庁の目論見は「福島復興」を名分に、東北電力との共同運営。

2016年11月号 DEEP

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「改革、再編の具体的な議論を徹底的に行う」。一橋大学大学院商学研究科特任教授の伊藤邦雄氏は10月5日、委員長として「東電改革・1F問題委員会」の意義を報道陣に強調した。この委員会は、世耕弘成経産相直轄のタスクフォース。東京電力ホールディングスの数土文夫会長が7月に行った記者会見を踏まえて発足した。数土氏は会見で、福島第1原発事故の賠償や除染、廃炉の費用が想定を上回る可能性が高まったため、政府に支援を要請すると表明。経産省は「東電支援の前提としていかなる経営改革をすべきか」を、有識者に議論してもらう場を設けることにした。要するに「国民負担を求めるならば、事故を起こした東電はもっと血を流せ」(政府筋)ということだ。伊藤氏が初会合の総括で「再編」の二文字を繰り返し、東電には他社との提携や事業再編が必要との認識で一致したかのように説明したのも頷ける。

「司令塔」は東電の宿敵

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