OPEC減産はシェールが「帳消し」

ロシアの仲介で8年ぶりの協調減産に合意したが、サウジ主導の「シェール潰し」は失敗。

2016年11月号 BUSINESS

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石油輸出国機構(OPEC)は9月28日、アルジェリアで非公式会合を開き、8年ぶりに原油生産の削減で合意した。会合の行方を注視していた米国シェール業界やシェール企業に融資を膨らませてきた金融機関や投資家は長いトンネルの先にようやく光を見た思いだろう。だが、世界的な供給体制は依然強含みであり、在庫が積み上がっている上に2017年にかけての需要は軟化基調にある。今回の減産合意が本格的な価格上昇につながる見込みは薄い。OPEC加盟14カ国が合意したのは、今のところ原油生産の上限を3250万~3300万bpd(バレル/日量平均)とする枠組みだけだが、これは実質的に50万~100万バレルの減産をめざすことになる。欧米からの制裁が解除され増産するイラン、および治安の悪化で生産が落ちているリビアとナイジェリアは例外扱いとなった。

我慢しきれず戦略転換

今年初めに80万バレルの増産を達成したイランの産油量は、5 ………

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