有償ストックオプションの息の根を止める「ごり押し」。報酬とみなし費用計上を迫るが、発行500社は大混乱か。
2016年11月号 BUSINESS [理由なき会計基準変更]
東芝の不適切会計でコンサル部門が“悪知恵”をつけ、金融庁に睨まれている監査法人大手トーマツが、今度は有償ストックオプションの会計処理変更で暗躍している。発行した上場企業は2011年以降、東証1部だけで110社、新興市場まで含めると延べ約500社に及ぶが、変更が実現すると過去の決算修正を一斉に迫られて大混乱になりかねない。ストックオプションは新株予約権の一種で、ベンチャー企業などが役員や社員に対して自社株が購入できる権利を与えるもの。1997年に日本も解禁したが、無償だと給与扱いになることが05年最高裁判決で確定、今は資本取引扱いとなる有償が一般的となっている。その会計処理は、複合金融商品適用指針とストックオプション会計基準のどちらに基づくのか明示されておらず、実務上は前者に従って発行時に払い込まれた金額を新株予約権として計上。権利行使によって払い込まれた ………
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