東京都利権に「黒幕」五奉行

豊洲、江東、渋谷……。都の巨大ハコモノはなぜブラックボックスなのか。国と都とゼネコンの「シン・談合」を暴く。

2016年11月号 BUSINESS [小池劇場「パンドラの箱」]

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豊洲市場の盛り土ミステリーはいまだに犯人が特定できない。記憶の衰えた石原慎太郎元東京都知事は記憶が曖昧で、小池百合子知事は9月30日の会見で「基本設計から実施まで段階的に決まり、いつ誰が決めたかをピンポイントで絞るのが難しい。空気の中で進んでいた」と嘆息していた。10月14日、都は岸本良一中央卸売市場長ら幹部5人を更迭、中西充副知事の担当を外した。都議会では2009年以降の4代の市場長のうち1人を除き「知らなかった」と答弁していたからだが、犯人不明で先に処分とはツジツマが合わない。役人が口裏を合わせ、処分されても沈黙を守るのは、豊洲で窓があいた東京都利権の「パンドラの箱」が巨大で、黒幕が潜んでいるからだ。部門間の連携不足解消といった「空気」の改善で済むはずがない。

都の受注調整と分離発注の“飴”

本質は巨大な「官製談合」隠しである。豊洲は「談合がないこと」を証明する方がむしろ難し ………

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