2016年10月号 DEEP [ディープ・インサイド]
日本経済新聞が7月に労組に提示した9項目の「人事・賃金制度改革」が物議を醸している。制度改革を謳っているが、若手デスクやキャップクラスで年収が百万円近く下がるからだ。9項目の中には完全週休2日制の導入やシニアスタッフと呼ばれる60歳定年後の嘱託の給与引き上げなど制度の見直しの側面がある。しかし、完全週休2日制とセットにする形で、時間外手当をカットし、配偶者手当と住居費補助の配偶者加算の廃止などが盛り込まれている。共働きが増える中で配偶者手当の廃止が広がっているが、代わりに子ども手当を充実させるなど、会社の賃金負担は変わらないというのが一般的。「うちの場合は実質的な賃金カット。ケースによっては年収が百万円も減る」(中堅記者)という。日経は春闘を受けた4月6日の社説で「持続的賃上げを」と論じ、「中小企業や非正規社員でも賃上げが堅調でデフレ脱却に向け ………
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