尖閣挑発と「北戴河会議」の虚実

尖閣周辺に多数の中国船を送り込んだのは誰か。知ったかぶりの眉ツバ解説にご用心。

2016年9月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

8月5日から8日にかけて、沖縄県尖閣諸島周辺の接続水域に中国海警局の公船15隻が進入。その周りで200~300隻の中国漁船が活動し、一部は領海にも入った。これほど多数の中国公船と漁船が同時に尖閣周辺に押し寄せたのは過去にない異常事態だ。日本政府は、尖閣の領有権を主張する中国が挑発行動のレベルを引き上げたと見て警戒を強めている。だが、腑に落ちないのはタイミングだ。7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が南シナ海の支配権にかかわる中国の主張を否定する判決を出し、中国は激しく反発。尖閣周辺での挑発をエスカレートさせた狙いは、判決の受け入れを中国に求めている日本政府への牽制という見方が強い。とはいえ、中国は9月初旬に浙江省杭州で開催するG20(20カ国・地域)首脳会議を控えている。それが終わるまで、ホスト国として国際社会の批判を招くような派手な動きは控えると ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。