電力会社の泥縄体質と規制当局の甘さは3・11前と少しも変わらない。高浜と同様に、伊方も司法が止めるのか。
2016年9月号 BUSINESS [四国電力vs.大分地裁]
人影がまばらな目抜き通りにそびえ立つ分不相応な豪華公共建築物――。青森県六ヶ所村や新潟県刈羽村、福井県敦賀市など、国内の原発立地自治体を訪れると、必ずといっていいほど目に焼きつく光景がこの町にもあった。愛媛県伊方町。7月末の昼下がり、町役場や町立図書館、中央公民館などベージュ系のタイル張りの瀟洒なビルが立ち並ぶ中心部の通りで唯一見かけたのは高校生と思しき若い女性の2人連れ。時折、乗用車や軽トラックが通り過ぎる以外、町は静まり返っていた。47年前、同町が原発誘致に動いた当時約2万5千人だった人口はいまや1万23人(7月31日現在)。65歳以上の高齢化率は40%を超えている。「立派なハコモノはたくさんできたけど、今では年寄りばかりで持て余している」といった冷ややかな声は漏れてくるものの、これまで同町が受け取った900億円を超える「原発マネー」が批判を抑え込んで ………
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