中国を「パリクラブ」に囲い込むG20の思惑

2016年9月号 BUSINESS

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中国をパリクラブ(主要債権国会議)に囲い込む狙いは明らかだ。中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)を創設し、人民元を国際金融機関(IMF)が管理する国際通貨「SDR」の基準にすることにも成功、国際金融の世界のメジャープレーヤーに躍り出た。勢いづく中国を、先進国主導の「紳士協定」で縛り、傍若無人の低中所得国向け融資を牽制する目論見だ。7月に中国・成都で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は中国のパリクラブ加盟検討を「歓迎する」と秋波を送り、歩調を合わせるように中国も、パリクラブのアドホックメンバー(準会員)登録資格を、従来の中国人民銀行ではなく、政府本体に昇格させた。フランスや米国、日本などの先進国が主導するパリクラブは、財政危機に陥った国の債務問題を非公式に協議する場だ。メンバーで借款や政府保証融資に関する返済期限の延長(リスケ) ………

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