高インフレ、通貨安を改善したのに、与党・産業界は不満。モディ首相の改革に暗雲も。
2016年8月号 GLOBAL
6月18日、世界的に著名なエコノミストで、インドの高インフレや通貨安の改善、銀行の健全化の取り組みなどで海外投資家の信任が厚いインド中央銀行総裁ラグラム・ラジャンが9月4日の任期末に「退任する」と宣言したことで、一時ハチの巣をつついたような騒ぎになった。インドの通貨ルピーは週明けのムンバイ市場で下落し、一時対ドルで前週末比0.9%安をつけた。ラジャンは突然の退任の理由については口を閉ざす。投資家からは、「改革派」のナレンドラ・モディ首相が従来のように、ラジャンに対してあと2年程度の任期延長を要請するものと期待されていた。ところが、発表に先立つ数週間前、モディはラジャン留任には明らかに気乗りがしない様子だった。その理由が何だったか、いまだに激しい議論が交わされている。
ラジャンは13年9月、国民会議派が主導していたマンモハン・シン前政権で中銀総裁に ………
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