三つの津波でデフレ再来

英国がまさかのEU離脱。「リーマン級」激震は第一波、第二波、第三波と輻輳して市場に襲いかかる。英国からEUへ政権交代のドミノが拡大。

2016年8月号 LABYRINTH [Brexitショック]

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ポンド安・不動産底割れ・銀行危機

欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国の国民投票が全世界を揺さぶっている。英国とEUが出口の見えない離婚劇に迷い込んだことで、世界経済と国際金融に新たな不透明要因が加わった。なかでも一番割を食わされたのは、2008年リーマン・ショック時と同様にわが日本である。本来なら日本も政権が吹っ飛んでおかしくないBrexit(英国のEU離脱)ショックだった。6月24日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=100円ラインを突破、日経平均株価は一時1万5000円を割り込んだ。日銀の異次元緩和で円安を実現し、株価を押し上げる――そんなアベノミクスの根底が一撃で覆されたからだ。円安の猶予期間中になすべきはずの国内の成長戦略は中途半端。おかげで日本経済は円高・株安にオロオロし、と宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を地で行くような羽目に陥ってしまった。経済運営の限界を露呈したのは、円が一時7円 ………

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