出光合併潰した「創業家の嫡男」

サラリーマン社長の短慮が、昭介名誉会長の逆鱗に触れた。JX・東燃ゼネラルの経営統合も怪しくなる。

2016年8月号 BUSINESS [引くに引けない「激突」]

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昭和シェル石油との合併に真っ向から反対する出光興産の創業家。石油業界の再編を急ぐ経済産業省に乗せられたサラリーマン経営陣の短慮が、創業家の逆鱗に触れた。根底にあるのは創業者、出光佐三氏の精神を忘れた現経営陣の浅はかさである。創業家の代理人が「合併反対」の意見表明をした株主総会から2週間後の7月11日。創業家と経営陣による最初の話し合いが開かれた。創業家側の出席者は、佐三氏の長男で出光興産五代目社長の昭介氏と、その息子の正和氏、正道氏。会社側は月岡隆社長らが出席した。会談場所に指定されたのは東京・丸の内の出光美術館。会談終了後、美術館から出てきた創業家の代理人、浜田卓二郎弁護士(元衆議院議員)は、あっという間に報道陣に囲まれ、ぶら下がり取材が始まった。「双方の主張を確認した。話し合いは平行線」。短いコメントを残して浜田氏が立ち去った後、後片付 ………

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