深刻な後見現場「制度も条約も絵空事」

2016年7月号 LIFE

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判断能力が不十分な認知症高齢者や障害者に代わり、専門家や親族などの第三者が財産を管理する「成年後見制度」をより普及させようと政府がやっきになっている。今春、施行された「成年後見制度利用促進法」は後見人に被後見人の手術や延命治療の同意権を認める内容だ。民法も改正し、死後の葬儀の手配などの事務手続きについても緩和する。安倍晋三首相をヘッドとする利用促進会議を内閣府に設置し、首相自ら音頭をとる形で制度促進の旗を振る。背景にあるのは日本の超高齢化だ。認知症高齢者は525万人(2015年、厚労省推計)、独り暮らしの高齢者は高齢者全体の4分の1におよぶ。その一方、成年後見制度の利用は伸び悩む。「このままだと社会の片隅に置き去りにされる大量の認知症高齢者が出かねない」と後見人らも危機感を募らせる。ところが、日本政府は成年後見制度の利用促進と相矛盾する約束を国 ………

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