国費2千億円を投じた「日の丸液晶会社」の資金繰りが綱渡り。その惨状は安倍政権を牛耳る経産省の自業自得。
2016年7月号 BUSINESS [経産省3人組の失敗]
シャープを台湾のホンハイ(鴻海精密工業)にさらわれ、「日の丸液晶連合」を組む目論見が頓挫したジャパンディスプレイ(JDI)が5月末、早くも300億円の資金ショートに陥った。取引銀行団3行(みずほ、三井住友、三井住友信託)に対し、600億円のコミットメントライン(融資枠)を使う緊急融資を申し入れたが、はねつけられて青くなった。2016年3月期決算でJDIが2期連続の最終赤字となったため、「財務制限条項に引っかかり、コミットメントラインは使えない」と言われたのだ。7月にはJDIの主力納入先であるアップルから前受金が確実に入るので「せめてそれまで、つなぎ融資を」と頭を下げたが、それでも一部銀行は首を縦に振らない。JDIの債務者分類が「破綻懸念先」のため、「運転資金を貸すのも難しい」という理由である。慌てて駆け込んだのはアップル。「前受金の前払い」を頼みこみ、どうにか300 ………
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