今や消去法の「新聞の正義」

2016年6月号 連載 [いまここにある毒]

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調査報道は絶滅危惧種である。アカデミー作品・脚本賞の映画『スポットライト』に悲しくなった。神父の少年レイプと教会の隠蔽を暴いたボストン・グローブ紙の実話だが、9・11テロ前後の14年前だけに、今は昔の光景だった。グーグルには頼れず、スマホでなくガラケーで電話と足の取材。ダイヤル式と電話帳の手作業だった1970年代の『大統領の陰謀』よりは進んだが、机の上のパソコンもレトロで、パナマ文書の2.6テラバイトはこなせまい。最大の差は新聞の衰退である。休刊と失業の嵐で、今や大スクープを追うヒトもカネもない。「これを記事にした場合、責任は誰が取る?」と問われて、主人公の突撃記者が言い返す。「では、記事にしない場合の責任は?」今や正義は消去法でしかない。米国の調査報道が倒した大統領や枢機卿などの「権力」にあたるタブーは、日本ではジャーナリズム自体の色眼鏡、いや、 ………

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