南シナ海で米国が対中「消耗戦」

空母ステニスの香港入港を中国に拒否させたのは自作自演か。計算ずくで揺さぶり。

2016年6月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

南シナ海で実効支配の強化を急ぐ中国に対し、その阻止を目指す米国の戦略がはっきりしてきた。表向きは軍事的緊張を抑えながら、裏では中国の矛盾や弱点を突き、徐々に不利な立場に追い込む頭脳戦である。それが垣間見える“事件”が4月29日に起きた。「中国が米空母の香港寄港を拒否」と、米主要メディアが一斉に報じたのだ。寄港を拒否されたのは、今年3月から南シナ海に派遣されていた米海軍の原子力空母「ジョン・C・ステニス」を旗艦とする空母打撃群。中国が米艦の香港寄港を断ったのは2014年8月以来だという。このニュースは、米国防総省の職員がメディアに情報をリークし、同省スポークスマンが事実を認める形で報道された。

香港返還後も継続して寄港

寄港拒否の理由について同省はコメントを避けたが、その3週間前、アシュトン・カーター国防長官がアジア歴訪に組み込まれていた訪中を急遽キャンセル。さらに4月15日、 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。