原発事業資産を減損処理しながら収益計画に変更なしと宣う室町社長。責任逃れ極まる決算操作を徹底解剖する。
2016年6月号 BUSINESS [ [のれん纏い放題」再考を]
東芝は4月末、原子力事業の「のれん」3300億円のうち約8割に当たる2600億円を2016年3月期決算で減損処理すると発表した。06年に米原発製造会社ウェスチングハウスを超高値で買い、多額ののれんを纏った。それが福島原発事故以降、巨大な不稼働資産と化したと考えられていた。3月末ぎりぎりに金の卵を産むニワトリ「東芝メディカルシステムズ」をキヤノンに6655億円で買ってもらい、そこから得た利益の範囲でようやく処理した。原発が売れないウェスチングハウスののれんがいつまでも名門東芝の連結決算貸借対照表の資産の部に堂々と計上されている姿は異常だった。これが8割減となるわけだから、東芝は財務上最大の懸案事項を片付けたと歓迎する向きは多いことだろう。しかし、東芝の室町正志社長は4月26日の記者発表で、「原子力事業の事業性に大きな変化はなく、将来計画に重要な変更はない」と述べた ………
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