2016年6月号 DEEP
「いかに真剣に、公正に選んでいるかを見てもらいたい。柔道界がいい方向に変わろうとしていることを世間に伝えたい」3月16日、全日本柔道連盟副会長、山下泰裕はこう大見得を切った。助成金の不正受給、幹部によるセクハラ、そして暴力事件と地に落ちた柔道界の信用。名誉回復の一つとして山下が決断したのが五輪代表選手の選考過程を公にすることだった。しかし……結論から言えば、公にしたことによってさらに柔道界への不信、疑念を招く結果になってしまった。代表選考は今回も以前と変わらぬ不透明なものになったからだ。 リオ五輪男女代表選手の選考試合と位置づけられていた全日本選抜体重別選手権(4月3日)。山下はNHKの放送でこの試合での勝者を五輪代表に選ぶ、いわば一発選考を口にし、さらに「他の競技での選考の在り方への良い参考となると思う」とまで口にしていた。ところが、4月中に選 ………
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