安倍「AI戦略会議」は早くも負け戦

鳴り物入りで発足した「人工知能技術戦略会議」は司令塔不在。経産、総務、文科省の縄張り争いで空回りか。

2016年6月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

安倍晋三政権の成長戦略として期待される人工知能(AI)の技術開発や活用策を巡り、経済産業省、総務省、文部科学省の主導権争いが過熱している。安倍首相はAIなどの新技術を2020年頃に国内総生産(GDP)600兆円を達成する重要なエンジンと位置付けるが、オールジャパンの連携は心もとない。AIが雇用を奪う悪いシナリオにも要注意だろう。

「垣根と縦割り」こそ日本の壁

4月19日の産業競争力会議で首相は高らかに宣言した。「第2ステージの成長戦略の挑戦は、有望成長市場の開拓、生産性革命、人材強化です。第4次産業革命の大波は、若者に社会を変え、世界で活躍するチャンスを与える。国際競争に勝てるか、海外の下請けでじり貧になるのか。今が若者の未来を左右する分岐点だ」――。5月末の伊勢志摩サミットで議長国日本の存在感をアピールした後、夏の参院選の必勝を目指す首相にとって、経済政策アベノミクスのもたつきは苦しい ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。