東芝「退職金圧縮」の原罪

退職給付債務の「割引率」をひときわ高くして負債をドカンと削減。財務を健全と見せかけて3カ月後に公募増資。

2016年5月号 BUSINESS [不正会計 真の動機]

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不正会計の発覚をきっかけに過去の決算修正、事業のリストラの発表に大忙しの東芝。その東芝が7年前の2009年3月期決算で、退職給付債務をはじき出すのに使う割引率を、同業他社が1.9~2.7%とするところ、3.3%とひときわ高く設定していたことをご存じだろうか。わずか0.6~1.4%ポイントの差だと侮ることなかれ。将来の退職金の支払い総額が兆円単位になる大企業東芝にあっては、ちょっとこの値をいじれば、負債として計上しなければならない退職給付債務の額を数千億円のオーダーで圧縮できてしまうのだ。06年に米原発会社ウェスチングハウスを54億ドルも出して買った東芝は09年3月期、リーマン・ショックによる売上高の減少と急減な円高ドル安の進行で、一発、資本欠損状態に陥った。すぐさま増資をして資本の厚みを増さなければ、債務超過、銀行団の融資引き揚げ、と倒産に向けた危機が次々と迫って ………

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